神工時報(復刻版)

 

2011年創立100周年

 

第32号 昭和48年11月16日

   

論説 本紙は何故にあるのか

皆様におなじみの「神工時報」は本号を迎えて第7号となります。本校が出来た明治年間より神工時報は続いており、戦争中に一時は中止となりましたものの終戦後鶴見と商工とにわかれている時から又復興し始め、前代の部長黒田さんの手で初めてよりもう7号を数えるにいたりました。

6号は丁度1周年記念日になるので記念号を発行し、長い夏休も過ぎ第2学期ももう終わろうとしている今日に於いても第7号を出すのがおくれてしまい文化祭間際になりましたことを皆様におわびします。

さて本紙は何故にあるのか?...そして何の役割をはたすのかというのが第1の問題であります。まず、新聞は皆様に報道を伝えるものではありまして、決して記録紙ではありません。

それに本時報は昔から数えると150、60号を数える程多いのでありまして、その間に卒業生や教師等の手により発行され、それを見ては卒業生諸兄の機関紙としておりました。それが今の時代となっては諸兄も又在校生の皆様も戦争と言う目に会い、ちりじり、ばらばらとなってしまって学校との連絡さえも出来なくなってしまったのに又現在の皆様も卒業すれば別れ別れになることに於いて、自分が若い時代を苦しみ戦ってきた工業学校をお忘れになることはないと思いますが。しかし、学校の事がどうなっているのかもわからないのに工業学校を思い出せなくなってしまいます。

その点に於いても新聞の重要性は多分にあります。

又現在の皆様においても、学校の自治会において発行されている神工時報は、学校の内部の事だけではなしに、外部のニュースをも皆新聞部の記者等がいそがしく立ち回り歩いて集めており本当のニュース的新聞ももう間近にせまっております。でも今までもそうやって来ておりますがいくらかたらずして終わっているのです。

その外反面には先生方の作品並びに課外講座等をも載せました。生徒諸君の投票によっても記事を集め、各自治会の部の行動に於いても、いちいちくわしく表しているのであります。それ故皆様のために又卒業生のためにも、今度新たに新設したPTAの欄において各父兄方にも学校での事に於いてもいろいろ手に取る様にわかるこのニュースを必要とするものであります。

それでありますのに前号の内容におきましては部内の事で1800部刷りまして校内にて配りました数は何と400部足らずです。これでは校内生徒の総数は800人に近い人数がおりますのに半数です。そして金額におきましては全体に於いて1万400円かかっておって実売上は7300円という僅かな額です。3100円というものは赤字に終わっております。こんな事に於いてもなりたたぬ事です。月1回の本紙なのでありますから皆様も何卒ご利用くださって又卒業しての機関紙におわすれなく本紙は希望しております。何卒諸兄の御支援をお願い致します。

文化祭

戦災後、新たに竣工してより1年を過ぎここに復興2回目の文化祭を迎え今まで眠っていた学園をよみがえらせる絶好の行事として11月27日(土曜)28日(日曜)両日に行われる。

神工文化祭は歴史が古く、焼ける前には各科によえい工場を持ち科によって自分達の得意とする作品を見せ、あるいはバザー的に即売され大々的に文化祭が催されていたが昨年より元の様な文化祭が行われるようになったのは喜ばしい事である。又国家の行事として11月3日に新たに文化の日が誕生しての第1回目に行われるのも意義深いものがあるとともに第2学期は天高く馬肥の好季節に恵まれ、勉学に体操に修養に充実した楽しい学期なので今まで高等部1、2、3年および中等部3年は遠足を又運動会も行われこれより相次いで文化祭なのでとても忙しい時を持つわけである。

これが済めば一段落ついて勉学に励むことが出来よう。以下は学校当局と生徒会自治会が話し合った文化祭の計画及び内容である。昨年同様に各科各部の多彩な祭典が催されるが前年より各科展の室が増えたのでよりよくにぎやかになる事であろう。北側南側校舎にて行われる各クラス毎の科展、又建築製図室にて演劇部主催の演劇、音楽等に期待がかけられる。北側校舎の中央の2室には喫茶店が開かれ、その隣には思い思いの売店が多くの品を並べるだろう。そして電蓄から流れるメロディーにしばし頭を休め体を休める休息所も作る予定である。

それに音楽部主催によるレコードコンサートも南側校舎の1番教室にて皆様おなじみのベートーベン、シューベルトその他有名作曲家によるシンフォニー等を皆様の耳へお届けしようと準備に忙殺されている。横浜コンクールにて第一位を獲得した演劇部では国際演劇及び貿易博覧会の物である「署長さんはお人良し」を主としその他木下順二作の喜劇物「三年寝太郎」等も上映候補にあげられている。又演劇部以外のアマシュア物として缺グループで練習中の演劇も2、3上映する予定である。工業学校として切っても切れない縁にある工学各科展は各クラス毎に豪華なプログラムに大童である。

上級生が10月より戸塚の実習工場へ行っており、その実習製作作品が彩りに出品されかつ即売され人気をあつめることであろう。各科の主なプログラムをここに書いてみると、まず機械科は、機械工具の説明、エンジンの修繕及び模型解説、機械製図、自動車の絵画陳列、印刷機械、新開構成機、及びその作り方、順序等を新聞記事や編集のことがないので残念である。

一方建築では盛んに作られている簡易住宅や、今日の住宅として未来の住宅の違いや住宅の出来るまでを模型に図にて説明し、西洋住宅の作り方をも説明する予定であって、今の時代にはくマッチしているものばかりである。

次に電気展では、今日の文化は、電気であると張り切っているが、こう毎日毎日停電では一般家庭ではさぞおこまりであろうとの心づかいで、停電は何故に起こるかということを皆様に御了承願うための説明その他、発、送、配電系統、ヒューズの溶断試験、トランス、発電機、電動機の構造並びに原理の説明及び応用等一切を説明することになっている。通信科ではラジオに関して超短波発信機回路、電話、ラジオ等種々おお通信科としての展示が行われる。

文化祭各科の楽しい行事等学生生活は面白い。さてどんなすばらしいものが出現するかちょっと見ものであることにして、記事を閉じる事にする。(K)

(昭和23年11月16日)