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神工時報(復刻版) |
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2011年創立100周年 |
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第15号 昭和25年10月3日 |
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就任の言葉 会長 機2福島照夫 今回、会員諸氏の絶大なるご努力ご協力により浅才微力なる私が、会長当選の栄を得るに至り、日夜とも責務の重大さに悩んでおります。今や我々の生徒会も漸くその反省期に入り緊迫する社会情勢の下に新たなる活路を見いださなければならぬ段階に達しております。我々は歓喜の中に発足した生徒会も未だ春の到来せぬうちに花をと目論みまた会の運営及び発展の障害に会員自体が横たわっていたのが過去の姿ではないでしょうか。 かつての総会屋協議会に見られた我関せず異議なしの賛成の傍観的非建設的な態度を排し建設的な批判と深い思慮、賢明な判断によってこそ真に会の発展も約束せられるのであります。丁度校長先生も渡米を前にしてそのご不在中には我々のより一層の協力と団結を必要とするのみか、真に生徒会の存在というものを表明する時だと思います。 及ばずながら私も会発展のために誠意努力致し会員諸兄のご期待にそう覚悟でおります。諸兄におかれましても我々の学校生活全般を左右する会の本質を深く認識され明るい民主的な学園建設のために御理解ある御協力をお願いし致し就任の言葉と致します。 渡米に際しての挨拶 学校長 山賀 辰治 学校長 アメリカへ この度私は図らずも全国工業高等学校の代表の一人としてアメリカの教育、特に高等学校の工業教育視察のため渡米することになりましたが、このことについては教育関係者、学校関係者、一般社会の方々など広い範囲にわたって多くの皆様から御好意を寄せられました事を、心から感謝いたします。 鈍才不敏な私にとって今回のアメリカ教育状況観察は甚だ思いロードで果たしてその任務を全うしうるか否か内心心配にたえませんが、でき得る限り努力して皆様のご期待にそむかないよう広くアメリカ教育を観察して帰りたいと思っています。 何でも世界一を誇るアメリカですから見るもの聞くものすべてが私を驚かすことでしょう。しかし、日本の現状では直ちにこれを我が国に応用しうるものはあまり多くないかもしれず、他面日本にもアメリカに劣らない長所も少なからずあると思いますが、所謂採長補短の実をあげるのに私の観察が幾分でも役立てばと思っています。 往復3か月の日程は長いようですが広大なアメリカを観察するにはその一端をのぞき見するに過ぎないかもしれません。 多くの皆様が私の旅行中の健康についてご心配下さるご好意に対しては心から御礼申し上げます。充分節制に気をつけまして元気で帰ってきましょう。 生徒諸君は私の留守中一層学業の修養に気をつけてください。3年生諸君は卒業も近づいていますから特にしっかり勉強して高校3年の生徒生活最後の仕上げをして有為な民主社会の成員たらんことに努力してください。 教職員各位も留守中一層職務に精励して生徒の指導に過なきよう気をつけてください。 座談会 学校生活の向上 司会 本日は学校生活の向上という題のもとに座談会を開きたいと思います。先ず第一に服装や言葉遣い、風紀問題について (風紀問題) 万代 生徒の現状からみるとただ指導部が簡単に注意したくらいでは良くなる見込みはない。本当は生徒が自覚をしてよくなるのを待つか、それとも、校則を作りそれに従わないものは厳罰するか、この2つが考えられるのです。 古屋 私は自覚というものによって風紀を向上させるのが良いと思います。そして先生方からも一層注意してもらいたいのです。それは生徒によって注意された生徒は生徒の権威に服するよりも先生によって注意されるのを好みますから。 萩原 本校生徒の風紀については従来生徒会でも大きな問題になっています。生徒代表5名が中心になって生徒心得を草案し、近いうちに学校側でも検討して何れ出来あがる予定です。規定を作っても、それを守らなければだめです。近い将来には生徒会に校風科を設け文化体育科と同列にすることが望ましいと考えている。 森本 僕の思うには健全な趣味を持たせることによって風紀を向上させる可能性があると思う。 川口 言葉遣いや服装が悪いというのは、みんなが自由を履き違えているからではないでしょうか。学校としてはもっと強硬にしてもらいたいと思います。 橋本 校則は慎重に作られるべきです。それを守って行くのは当然である。だから校則を守らない者は強硬に処置し、反省を促すべきと考えます。 万代 びしびしやれば校則を守らせることは簡単ですが、それはいままでもやって来ていけなかったのです。だから根本問題としては生徒に分かってもらうことです。 中尾 規定を作ることは私も賛成ですが、何故作るようになってかと考える必要がある。それには2つの見方がある。第一には全般的に見て行きすぎた自由、放縦の反省期に立ち至ったこと、第二に生徒が誇りを失ったことです。ではどうすれば良いか。先生が指導するのも必要ですが、それよりも生徒自身がもっと自覚して誇りを持つようになることと思います。 萩原 帽子をかぶらない生徒が沢山いるのは何故でしょう。二校や慶応の生徒は全部かぶっているのに、どうして本校だけが。 石川 経済的理由や見栄を張っているのではないでしょうか。 萩原 見栄もあるだろうが、これは校章が以前と変わらないので見た目に子供っぽく見えるからではないでしょうか。 森本 2高や神高は私達の小学校の頃は希望の的だったのです。だからあの学校に行ったものは帽子を被ることはある程度得意でしょう。本校の生徒は本校の良い所を知らないのですよ。 (萩原先生要件で帰宅) (恋愛問題) 司会 ではその辺で、次は郊外の問題について、夏休み中生徒の中には随分女学生と交際したのではないかと思います。それについて少し恋愛について? 中尾 この問題も慎重にみんなも考えなければいけませんね。 石川 私は単なる友達としてならいいのではないかと思います。しかしそれが邪恋になってはいけませんが、清い交際ならば良いと思います。 橋本 在学中に助成を持つということは現在の日本においては随分危険性があると思う。勉強するということから考えても勉学中は女性の必要性はないと思います。 佐々木 本校は女生徒がいないため、このような問題が大きく取り扱われるのではないでしょうか。 橋本 校内的には男女共学であれば単に友達であることもいいと思うんだが、校外の女友達を作るのも危険だから。 佐々木 今は正しく交際しようとしても、両親が封建的なため、みんなそんなことに悩んでいるんですよ。ですから、その時には先生の所に相談に来るべきではないでしょうか。 森本 ガールフレンドと言っていますが、その女性が勉強を進捗させることがあるといえるのです。ですから交際することによって学問上、悪くなったとは思われない。 中尾 橋本先生と同意見で、全額途上にある者には学問一点張りでやるべきだ。高校生の年齢では真の恋愛にはまだ早い。それ等は好奇心であるようだ。そのようなことがあるとどうしても学問がおろそかになる。しかし偶発的に清い交際が生じたら信頼するに足る先生や両親に打ち明けてやったら良い。 佐々木 1年生は新制中学以来男女共学でやって来て一応体験があり、割に馴れていて良いだろうが、本校の2年生以上の生徒には危険が無いでもないと思うが。 古屋 学問の就業中は注意したほうが良い。第一学問がおろそかになることもありますから単なる友達として交際するなら差し支えないと思います。 川口 私は女性と交際することによって真面目になった実例を知っている。何故か。それはその女の人に負けないためにしっかり勉強するからだ。勉強しないと女性に嫌われると思ってね。 万代 勉強途上にあるものが良くなる悪くなるというが、誰でも大きな目的を持ってそれに突き進んで行けば、そんな考えは起こらないはずだ。これは私の経験からの話だが、私は学生時代、オリンピックを目指して精進したのでその方に気をとらえる機会がなかった。しかし清いりっぱな交際なら良いと思う邪恋に落ちてはいけないが。 川口 交際の初期には誰でも真面目ですが、慣れるとだんだんいけなくなるのです。その点が難しい。 司会 では岸田先生に総合して・・・ 岸田 みなさんの話を聞いていろいろ参考になった。生徒心得のことだが、今度学則が出来て、これにはっきり生徒心得を制定してこれによって学生生活を律して置くことが書かれてある。10年先、20年先まで継続する本校の新しい伝統を生徒職員で考えてみたい。 生徒心得を作る場合、難しい問題が沢山あると思う。理想の姿を規定するか、最低線をいくかが問題である。その辺から従君検討しないといけない。校風樹立にはよく「誇り」ということが問題になるが、誇りというものは完全無欠の者でなければいけないというものではない。戦争に負けたからといって日本人がすべての誇りを失ってしまうのはよくない。本校にも誇るべき多くのものがある。本校の校長が渡米することも誇りであるし従来の伝統も一つの誇りである。この誇りを守り育てて反面にお欠点を補うように努力するのである。 もう一つ大きな問題は、希望を持つことである。高校生徒は燃えるような希望がなくてはいけない。恋愛問題がおこるのも希望がなくてはいけない。恋愛問題がおこるのも希望が足りないためだと思う。 上級学校に行く人は上級学校へ行く希望を、工場に行く人は偉大な技術者への希望を、そして本校から第二の湯川博士の出ることを願ってやまない。 司会 ではお忙しい所を長時間ありがとうございました。 出席者
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